過敏性腸症候群の特徴と対策、ストレス耐性の低い人がなりやすい
便秘ひどくてお腹が苦しい。ガスがたまりがち。もう何日もお通じがきていない。
お腹を下した次の日は便秘になりやすい。ずっとぐるぐると不快感が続く。
女性の方は特に抱えやすい健康問題ですよね。
そもそもどうして便秘になってしまうのか?
便秘の原因の1つである、過敏性腸症候群にスポットを当てながら、
便秘についての疑問を解決していきます。
便秘の主な原因って何?
実のところ、便秘の定義というのは、明確には定まっていないのです。
便秘の症状というのは、患者の主観によるところが大きいからで、「下腹部が張る」、「ガスが増える」、「排便の回数の減少」、「残便感」、「排泄時の痛み」、「量」、「便の状態(色や形)」などを総合的にみて、便秘かどうか総合的に判断します。
便秘の原因は大きく2種類に分けられます。1つは急性の便秘。これは消化器自体の機能低下や病変を原因としてなるものです。
急性によるものは生活改善では治せるものではないので、すぐに病院での診断と治療などが必要となります。
そしてもうひとつが慢性の便秘。こちらが多くの女性が悩む便秘の原因です。
特に多いのが生活習慣によるものと、最近話題の過敏性腸症候群によるものです。
次の項目では、過敏性腸症候群について、詳しく説明していきます。
私は便秘?それとも下痢?両方?過敏性腸症候群について知ろう!
過敏性腸症候群は、特に、ストレス耐性の低い20代〜30代の若い方がなりやすい病気です。
症状は様々で、大きく分けると、下痢型、便秘型、下痢と便秘の交代型、前述の3つに当てはまらない分類不能型の4種に分けられます。
レントゲンなどでみても、一見症状や原因が見られないことが厄介な点で、問診によって判断しなければなりません。
基準は、過去3か月間、3日以上にわたって、腹痛や腹部不快感が繰り返し起こることを前提に、
排便によって症状が軽減する、発症した時に排便の頻度が変化する、発症した時に便の形状に変化がある
の3点のうち2つ以上が当てはまると、過敏性腸症候群を疑わなければなりません。
過敏性腸症候群を治すにはどうすればいい
かつては、治療法が見つかりませんでしたが、現在では、食事療法、運動療法、薬物療法などの治療法が確立してきました。
食事療法では、消化によく刺激の少ないものを食べるように心がける。ヨーグルトや納豆などの発酵食品を食べる。
などの腸内の善玉菌を活性化させる食事を意識することが大切です。
運動療法では、腹部の筋肉を鍛えるというのも大切ですが、ストレスの解消を1番の目的としています。
過敏性腸症候群の原因はストレスと考えられています。
溜めこんだストレスを発散するには、軽めの運動が効果的です。
歩くより少し早いくらいのジョギング、ヨガやストレッチなど、激しくない程度に運動することで、
気分の転換が図れるのです。
そして最後は薬物療法です。過敏性腸症候群かもしれないと思ったら、自己判断をして市販の薬を飲むのではなく、
胃腸内科を受診することをおすすめします。
過敏性腸症候群と診断されたら、病院や医師によって分かれますが、次のような薬物が処方されます。
まずは、下痢や腹痛などを抑える、整腸剤や抗コリン薬、ひどい便秘の際に処方される下剤。
腸内の水分バランスを整えてくれる高分子重合体。などがあります。
そして最近、着目されているのが、セロトニン3受容体拮抗薬です。
この薬は腸から分泌される、セロトニンの働きを抑える働きをします。
セロトニンと聞くと、脳内で分泌される幸せホルモンという認識が強いですよね。
しかしながら、体内のセロトニンというのは、そのほとんどが腸内に分布しており、このセロトニンは腸のぜん動運動に作用していると考えられています。
ストレスを受けると、腸内で過剰にセロトニンが分泌され、それが、緊張するとお腹がぐるぐるする、発表や会議の日に限って下痢をしたりお腹が痛くなったりするといった症状となってしまうのです。だからこそ、腸内でのセロトニンの働きをゆるやかにする必要があるのです。また、この病気はストレス大きく結び付いているので、抗うつ薬や抗不安薬などを処方される場合もあります。
過敏性腸症候群はもちろんのこと、それ以外の便秘であってもストレスというのは腸にとって大きな敵となってしまいます。自分でできる生活改善しストレスを解消することももちろん大切です。でも、病院に行くことだって、恥ずかしいことではありません。自分の腸に正直に生き、便秘を改善していきましょう。